畑のありんこ(292)

2013060711500000アゲハの幼虫を見つけては水槽に移し、1日おきに新しい葉を入れてやっています。
柑橘の葉を食べ放題に食べられるのも困るので、徒長した枝を剪定したものを利用して給餌しています。十匹いると、結構わしわし食べる音が静かに聞こえてきます。

蝶々のもの食ふ音の静かさよ(虚子)

の句の、別の解釈を実感しています(笑)。
小さな虫が葉を懸命にけずりとって食べる音。

アゲハチョウの幼虫は4回脱皮して緑色になります。
最初は鳥の糞の擬態で黒と白のまだら模様なのですが、
その場を目撃していないと、いつのまにか別物になっている! という感じです。

そして、結構水槽から脱走します。
我が家では「脱走くん」と呼ばれていますが、あるものは絨毯の上で、あるものはカーテンで、あるものは壁に…とさまざまな場所で発見され、連れ帰られます。
生命とは生きるエリアを広げていく本能があるわけですが、それを目のあたりにする毎日です。

油断していると、思いもかけないところで蛹化しています。
前蛹になると、もはや触れませんので(奇形になってしまう可能性が高いためです)、見守るしかない(笑)。
今年はここまでに二頭、羽化しました。いずれもナミアゲハ。
わずか十分で羽を広げ、口の伸び縮みさせて動きを確かめてのち、やがて広い空へ飛び立っていきました。
あっという間の子離れです。
今年は何頭、送り出せるかな…。
夏が近づいてきました。

(五日市教室A)