気になるニュース146回「記憶遺産」

【問】

平安時代中期に書かれた「御堂関白記」が、ユネスコの世界記憶遺産として認定されることになりました。
この日記を書いた、平安時代を代表する権力者は誰ですか。

【答】

藤原道長

「この世をば 我が世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思えば」
の和歌で有名な藤原道長。
1016年に摂政(天皇が幼い場合や女性の場合に代わりに政治をする役目)となりました。
自分の娘を天皇の后(きさき)にし、その娘が産んだ子を次の天皇とすることで権力を握(にぎ)っていったのです。
道長の娘である中宮彰子の家庭教師となったのが、源氏物語で有名な紫式部であることを、6年生は学習しましたね。
天皇の摂政や関白になって行う政治を摂関政治といいます。(5年生は、9月以降に学習します。)

この藤原氏の全盛期を築いた、藤原道長が書いたとされる「御堂関白記(みどうかんぱくき)」が、ユネスコの世界記憶遺産に認定されました。
これは、風化や消失の危機にある書物や文書などの歴史的な記録を「世界記憶遺産」として登録、最新のデジタル技術を使って保全し、研究者や一般に広く公開することを目的としたものです。

他にも今回、日本政府とスペイン政府の共同推薦(すいせん)を受けて、慶長遣欧使節の関係資料も登録されました。
これらは、江戸時代の鎖国直前に仙台藩主であった伊達政宗によって、スペインとローマに派遣された慶長遣欧使節の支倉常長(はせくらつねなが)が持ち帰った文書や肖像画です。

歴史的な文化財や記録を後世に残すことは、私たちがしなければならないことの一つです。今後もこういった取り組みに注目していきたいですね。