それでもI will be…(287)

社会人になる前……もう随分と昔のことになってしまいましたが、大学生時代の空手道部の合宿はなかなかにハードでした。
今、子どもたちも塾で毎日頑張っていますが、彼ら、彼女らに負けないほどしんどかった自負はあります。

合宿は4泊5日で行われました。
まずは初日、合宿所につくと巻き藁と呼ばれる突きの練習用の器具を設置することから始まります。
それが終わると、夕方の練習が始まります。
まずは初日なので普通は軽く始めるかと思いきや、私たちの部の師範は考え方がかなり古い人で、いきなり体に相当負担がかかる練習から始まります。
柔軟の後、フットワークと蹴り技の練習、つまり、下半身に負担がかかる練習ばかりひたすら3時間やらされました。
この時点で、先輩が1人ひざを痛めてリタイアしてしまったのはもはやトラウマですね。
次の日からは朝一番にランニングをしてから午前練習。
昼食後は昼寝の後、夕方練習。
夕食後は師範と1対1で個別指導が順番にめぐってくるのですが、この練習がまたキツイ割にはやる意図がつかめない。
向こうは師範で、こちらは学生ですから、経験の違いはもちろんありましたが、明らかに時代錯誤なやり方だったなあ、と社会人になった今でも思います。

そんな経験を通して、教える側になって今思うのは、子どもの言うことにも耳を傾けることを忘れてはいけない、ということです。
特に最近の子どもにはきちんとした文章で考えを伝えるのが苦手な子もいるので、頭ごなしにしからないように心がけてはいます。
以前には授業で教えたことと全く違うことを言う子がいたので、もう少ししっかり授業の内容を復習しよう! と強く言いかけたのですが、表情が何か言いたそうだったのでよくよく聞いてみると、学校ではこのように習った、というのです。
その問題は漢字の部首に関する部分で、小学校の先生は科目の専任ではないですから、そういうことも起こり得ます。
その時は、改めてこちらの方があっていることを教えることができましたが、あそこで怒鳴って終わっていれば、子どもの中にはモヤモヤしたものが残ったでしょう。
夏期講習中は私たちも次から次へと授業があり、全員と事細かに話をすることはできませんが、それでも何か気になることがあれば伝えてください。
そして、生徒の皆さんはそういう時だからこそ、先生が話しかけてくるのをじっと待つのではなく、自分から声をかけてください。

(五日市教室T)