気になるニュース28回「八幡製鉄所」

tetu.jpg【問題】
7月29日に、福岡県北九州市にある製鉄工場で火災が発生し、1週間後の8月5日になって、やっと鎮火(ちんか)しました。火災を起こしたこの製鉄工場を何といいますか。



【解答】
八幡(やはた・やわた)製鉄所

福岡県北九州市にある八幡製鉄所は、1901年(明治34年)に操業を開始した、日本初の近代製鉄所です。
当時は鉄鉱石の輸入先が主に中国であったことと、北九州に筑豊炭田などの豊富な石炭産出地があったため、日清戦争(1894年)で得た賠償金(ばいしょうきん)を利用して北九州に建てられた、軍拡目的の官営製鉄所です。(八幡製鉄所の種火には、実は、宮島の大聖院霊火堂の「消えずの火」が使用されました)
第一次世界大戦後の不況などを経て民営化され、現在は製鉄業界トップの新日本製鉄が運営しています。
以前よりは規模を縮小しているため、1990年、跡地の一部に「スペースワールド」が建設されたことも、知られています。
7月29日に、その新日鉄八幡製鉄所のコークス工場で火災が起こりました。
火災は、石炭を貯蔵場からコークス炉(ろ)に運ぶベルトコンベヤーが燃え落ち、ガス管が破損して漏(も)れたガスに引火したことが原因と考えられています。
製鉄所側は当初、1日程度で鎮火すると考えていましたが、コークスガスの発生が予想以上に続いたため、鎮火までに1週間かかりました。
人的な被害はありませんでしたが、粗鋼(鋼材になる前の鋼)の生産量が落ちました。
鉄鋼は中国などの需要拡大により、生産メーカーの工場がフル稼動の状態でした。今回の火災が、自動車業界などへ影響を与えることが心配されています。
現在自動車業界は、ガソリン価格の高騰(こうとう)や若者の車離れによって、非常に厳しい状況です。
自動車販売台数世界第1位のトヨタ自動車も、2008年の世界販売台数計画を985万台から950万台に下方修正しました。
しかし、その一方で、ガソリンと電気を利用するハイブリッドカーの「プリウス」は販売が非常に好調で、注文に生産が追い着かない状態が続いているようです。
今後もガソリンの高騰が続くと考えられますので、ますますハイブリッド車や燃料電池車が求められていくことになるでしょう。
ただ、いずれにしても原料である鉄は必要です。
鉄は「産業の米」といわれています。一日も早い完全復旧が望まれます。
(五日市教室A)
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8月11日(月)~8月17日(日)の定例記事の更新はお休みします。
次回更新は8月18日(月)です。
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