気になるニュース232回「絶滅危惧種の鳥といえば」

【問】

日本で絶滅危惧種の鳥といえば、佐渡島のトキが思い浮かぶと思います。
では、富山市ファミリーパークで人工飼育に取り組んでいる鳥といえば何でしょう?

【答】

ニホンライチョウ

ライチョウは季節の移り変わりによって温度が変わっても、住処を変えずに高山で生活する鳥です。そのため、夏は褐色、冬は純白と羽毛の色を変化させて環境に適応しています。
ライチョウは世界の様々な地域に生息しているものの、日本のみに生息するニホンライチョウは生息数が3000羽ほどといわれ、国の特別天然記念物に指定されています。

絶滅に向かう原因のひとつに猛禽類にくわえて、キツネやハシブトガラスなどに捕食される、というものがあります。
これだけ聞くと、残酷ですが自然の中の生存競争なので仕方がないことのように思えます。
しかし、キツネやハシブトガラスは、以前はライチョウが住むような高山には生息しませんでした。
地球温暖化によって、かれらの生活圏が広がったことが原因だったのです。

江戸時代以前など、昔は登山者にとって神の使いとまでいわれて信仰を集めた鳥でしたが、明治時代には狩猟によってもかなり数が減ってしまったようです。
人間の都合であがめたり、狩ったり、増やそうとしたり……。私達も自然の一部なのだ、ということを忘れないように、他の生物との調和を考えないといけませんね。

(五日市教室T)