気になるニュース第246回 「見えない粒子」

【問】

今年、ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章教授が、スーパーカミオカンデで観測している素粒子の名前を何といいますか?

【答】

ニュートリノ

ニュートリノはこの宇宙にもっともたくさん存在するといわれている素粒子です。
その大きさはとても小さくて、私たちのまわりのすべての物質を通り抜けてしまうんです。
たとえば、私たちの体を毎秒100兆個以上のニュートリノが通り抜けているのですが、それを感じることはないでしょう?

私たちの体は、「分子」というものでできています。
その分子の元が「原子」と呼ばれるものですが、この原子を太陽系の大きさに引き伸ばしてみても、ニュートリノは子供用のバレーボールほどの大きさしかありません。
しかも原子の中はほとんど空洞なのです。すりぬけてしまうはずですね。
スーパーカミオカンデでは、膨大な数降り注いでいるニュートリノが、ものすごく小さな確率で原子にぶつかる現象をとらえることができる装置なのです。
しかしながら、その数は1日にわずか15個ほどとか。
 
宇宙の起源は、最初の大爆発「ビッグバン」に始まったといわれています。
そのとき大量に放出されたニュートリノが現在の宇宙を形作ったとも。そうした謎が解明される日もそう遠くない日なのかもしれません。

(アイル代表S)