気になるニュース第300回 「安全性が確保できない」

【問】

佐賀県が国の食品安全委員会専門調査会に販売解禁を求めていた魚とその部位の名前は何ですか?

【答】

フグの肝

フグといえば鍋の材料やお刺身などでおなじみの冬の高級食材ですね。
一方で毒を持つ魚としても有名です。
フグの持つ毒はテトロドトキシンといって、青酸カリの1000倍もの強さを持ち、ごく微量でも人を死に至らしめてしまいます。
また、種類によって体のどこに毒を持つかが違うそうです。
私たちは毒のない部位を食用としてきました。

おもしろいことに、フグ自身がその毒を最初から持っているわけでなく、まずは毒を持つ微生物をヒトデや貝が食べ、そのヒトデや貝をフグが食べることによって、フグの体内に毒が蓄積されていくということがわかっています。
食物連鎖の中でフグが猛毒を持つようになったわけですね。
これを生物濃縮といいます。
 
佐賀県の養殖業者が無毒のエサで養殖したところ、毒が見つからなかったことから、食用としてフグの肝食の解禁を求めたのですが、安全性が確保できないという理由で今回は却下となりました。
一番の理由は毒化する仕組みが完全に解明できていないということのようです。
本当に安全なら、私も食べてみたいとは思うのですが、万が一ということならば、やはり避ける方が無難かなとも思います。
みなさんはどう考えますか?

(アイル代表S)