気になるニュース380回「新しい世界遺産」

【問】

6月30日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、「長崎と天草地方の潜伏〇〇〇〇〇関連遺産」の世界文化遺産の登録を決めました。〇にあてはまる言葉を答えなさい。

【答】

キリシタン

今回の世界遺産の登録は、江戸時代のキリスト教が禁止されていた中で信仰を続けたという世界でも珍しい点が評価されたことが理由としてあげられています。

潜伏キリシタン関連遺産は「始まり」、「形成」、「維持、拡大」、「変容、終わり」の4つの時期に区分されます。
1637年の島原・天草一揆からキリシタンの弾圧は厳しくなり、信者たちは潜伏時代をむかえます。その後、日本の開国にともなって大浦天主堂が建てられました。1865年に潜伏キリシタンが大浦天主堂を訪れ、自分たちの信仰を告白します。このことは「信徒発見」とよばれ、潜伏キリシタンの転機となりました。

潜伏キリシタンとは、約250年の禁止されていた時代の信者を意味します。宣教師の来日がなくなってから、表向きは仏教徒として生活していたため、独自の宗教に変化していきました。明治に入ってキリスト教の信仰が許されるようになって、それまでの信仰のあり方を続けた人、カトリックにもどった人と、それまでの信仰を離れて仏教や神道に変わった人とに分かれました。特に、禁止されていた時代の信仰を続けた人をかくれキリシタンとよぶそうです。

明治に入ってからの潜伏キリシタンに関する内容は、歴史のテキストでは、「『キリスト教の禁止』など、江戸時代とかわらないものでした(数年で廃止)」という一文だけです。しかし、わずか数十文字で表現される部分に、色々なことがありました。歴史が苦手、特に江戸時代後半から明治にかけて面白さを感じない人にとっては、印象が変わるきっかけになるかもしれません。世界遺産については、くわしくまとめられているHPもあります。夏休みの時間のあるときにぜひ、調べてみてください。きっと、面白さを感じる発見があるはずです。

(皆実教室F)