気になるニュース第407回 「2月1日から発効の協定」

【問】

2018年7月にある協定の署名が行われ、2019年2月1日から発効(条約などが効力を発生すること)しました。
これはEU諸国との経済に関する協定で、日本・EU○○○といいます。
○に入るアルファベットは何ですか。

【答】

EPA

EPAとは、経済連携協定を英語にしたときの頭文字をつなげたものです。
経済連携協定と聞くと、TPP11が昨年の12月30日に発効しましたが、EU諸国との経済連携協定も進められてきていました。
この協定は、段階的または即時に関税がなくなりますので、輸出入が活発になり、経済に好影響が出ることが期待されます。
実際、政府はTPP11とあわせて雇用や国内GDPのアップを予想しています。

一方で、国内産業は、価格競争相手が増えることとなり、厳しくなる分野が出てくることも予想されます。
これまでEUとの貿易における農林水産分野では、もともと取引の少ないものや今回の関税の撤廃(てっぱい)から除外対象となっているものもあります。
ですから、身近なものですぐに大きく変化を感じることは少ないかもしれません。
しかし一方で、工業製品に関しては、今後100%関税をなくすことを目標としているため、まちがいなく変化を感じるときがくるでしょう。

新しいことが始まると、良い影響だけでなく悪い影響も起こります。
今回のケースで考えられる悪い影響といえば、自給率の低下があげられます。
それに対して政府は、今回の協定に先駆けて、農家に補助金を出すなどの対策をしていますが、それで終わりでは、真の競争力がつくわけではないでしょう。
問題点が起きたときに、どうすればより良い解決に導いていけるかということに、本当の力が試されるのだと思います。

(西条教室N)