畑のありんこ(583)

シランシランが咲く時期になりました。
この花はランの中では特別といっていいほど、簡単に咲きます。
日向でも咲きますから、一般の民家でもよく見かけますね。
うちではほぼほったらかしですが、毎年きれいに咲くので、けなげさに涙が出ます(ウソ)。

今シランのほかには、ジャスミンとかミカンの花が咲いていて、庭にいい香りがします。
きっとチョウはもっと敏感に匂いを感じているんだろうなあ。
今年、京都の源氏物語ミュージアムに行ったときに、香についてのコーナーがあり、クイズがありました。
中華料理に使う八角や、ウイスキーに浮かべたりするクローブ(丁子)、シナモンやウコン、白檀などさまざまな香りがありましたが、天然の花の香りを留めおくのはなかなか難しかったんだろうなあ、とあらためて感じました。

「日本書紀」に、ひと抱えもある流木が淡路島に漂着して、それを島の人がかまどで薪として燃やしたところ、その煙が遠方まで香ったので、これを朝廷に献上した」とあるそうです。
「日本書紀」の内容については疑わしいものも結構あると言われていますが、これは信じていい気がした(笑)。ありそう。
香木は東南アジア原産のものもあるので、海流に乗って漂着することはあり得ますね。
島崎藤村の「椰子の実」の歌詞を思い出しました。

(五日市教室A)