いきものばんざい(48)

ジャコウアゲハ【食うと中毒するぞ ~ジャコウアゲハ~】鱗翅目アゲハチョウ科

 オスが麝香(じゃこう…香りの名前。ムスクとも)のような香りを出すことからこの名前があります。食草が毒をふくむ植物なので、幼虫時代にためこんだ毒がそのまま成虫になっても体内に残ります。そのため、ジャコウアゲハを餌として食べると、中毒を起こしてはき出してしまいます。敵はそれ以来ジャコウアゲハを食べなくなるので、こうやって種を守るわけですね。これを利用して、みずからをジャコウアゲハに似せているものがあります。クロアゲハやアゲハモドキなどがそうだと考えられていますが、こういった毒を持つ生物と同じ色や模様を用いて、食べられないようにする擬態のことを「ベイツ型擬態」といいます。