気になるニュース92回「地面が地面でなくなるとき」

【問】
地震などの際、大きな振動により砂地の地盤が泥のようにゆるんでしまい、道路の舗装(ほそう)や建物が埋(う)まったり倒れたりすることがあります。
この現象を何といいますか。


【答】
液状化(現象)

この現象は、砂浜に立っていると、波が足元に届いた瞬間、急に足元がやわらかくなるのと類似の現象として説明することができるのだそうです。
建築物などが地中に沈んでしまうだけでなく、マンホールや下水管などが逆に浮き上がってしまうこともあります。
砂地の地盤、つまり三角州や昔の河川の跡地、埋立地などにこの現象がよく見られるそうですが、広島は三角州のうえにできた町ですから、起きる可能性は大です。
阪神淡路大震災では、ポートアイランドや六甲アイランドでこの現象が観測されています。
東日本大震災では、ディズニーランドの駐車場が液状化により被害を受けた映像が記憶に新しいところです。
ディズニーランドのある浦安市や、千葉市、香取市などでは液状化のため住宅が傾く、沈みこむなどの被害がかなり出ており、現在も調査中です。
さらには農業用水路や水をくみあげる施設も破損し、作付けが不可能になった農用地もあります。
東京都は旧江戸川、荒川などの河口部にあり、また埋立地も非常に多いことから、大地震の際には大規模な液状化が予想されています。
東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県のハザードマップ(=自然災害が起こった場合に予測される、被害の拡大範囲および被害程度、さらには避難経路、避難場所などの情報が地図上に図示されているもの)を見てみますと、埋立地一帯と、荒川、旧江戸川、隅田川など主な河川に面している流域は液状化が起きる可能性が高いとされていました。
ライフライン(気になるニュース第90回参照)の断絶も予想されます。
大都市ほど埋立地や平野部にできているわけで、ここまで複雑に発達した現代都市は大地震の前には脆弱(ぜいじゃく=非常に弱い)なものであるということがよくわかります。
「想定外」という言葉が頻繁(ひんぱん)に登場しましたが、自然の力はどこまで想定しても人間の予想を越えるものだと考えるべきなのでしょう。
また、今回の東日本大震災で節電が広く呼びかけられていますが、これまでの便利さ・快適さをどんどん積み上げてきた生活から、必ずしも必要でないものを削(けず)っていく生活にシフトしなくてはいけない時期にきているのでしょう。
(五日市教室A)
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