気になるニュース97回「テレビは本当に必要か」

【問】
7月24日より、テレビはすべてデータを数値化したかたちでの放送に切り替わりました。
この放送のしかたを何といいますか。


【答】
地上デジタル放送

2003年12月より、三大都市圏を中心に開始された放送です。
すべてのデータをアナログからデジタルに変換して行う方式で、高画質・高音質が実現できるうえに、視聴者との双方向のやりとりができること、たくさんの情報を入手できることなどのメリットが挙げられています。日本もIT化を進める一環として、地上デジタル放送を推進してきました。
なぜデジタル放送なのか。理由が三つあげられます。
1 各家庭において情報化が進んだため、デジタル放送を利用することで、多様な情報を入手しやすい環境をつくることができる。
2 周波数の有効利用のため。携帯電話の普及にともない、使用できる電波の範囲がなくなってきている。そこで、デジタル放送に切り替えることで、電波の使用に余裕を持たせることができる。
3 保存する方法のデジタル化。DVDやCD、MDなど、保存する媒体(ばいたい)がデジタル化しているため。
アナログとデジタル。よく使われている言葉ですね。
簡単にいうと、アナログは情報を「そのままのかたち」で送ったり保存したりするやりかたです。
デジタルはそれを細かく分けて、「数値化」してしまう方法です。
「数値化」すると、それを加工することもできるため、雑音を取り除いたりもでき、それが高画質・高音質の実現にもつながっているわけです。
ではデメリットはないのでしょうか。
デジタル放送に対応したテレビに買い換えていない人達にとっては、情報を手に入れる手段を奪われることになるわけです。また、受信障害が生じ、映らない地域も出てくるそうです。
情報を使える人とそうでない人との差である、「デジタルデバイド」といった問題も大きくなりそうですね。
大震災の影響で、岩手・宮城・福島の3県については、2012年の3月末まで地デジ放送の全面移行が延長されていますが、被災者にとってテレビは情報入手手段として不可欠でしょう。(それすらままならない状況だと聞いて胸が痛みます。)
しかしそれは他の地域に住んでいる人たちにとっても同じはずです。
今、本当に傾注しなければならない問題は何なのでしょう?
いずれにしても、もう少し時間的な余裕をみて、普及や切り替え、対策を行うべきだったのでは…と感じています。
(五日市教室A)