気になるニュース344回「ノーベル平和賞」

【問】

ノーベル平和賞に非政府組織のひとつであるICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が選ばれました。
ICANのような非政府組織をアルファベット三文字で何といいますか。

【答】

NGO

今年の7月に核兵器禁止条約が採択されました。
ICANはこの条約の成立に向けて各国に参加を呼びかけ、一般に向けたキャンペーンを行ってきました。
今回のノーベル平和賞はICANが条約の成立に中心的な役割を果たしたことに対しておくられました。

ICANはNGO(非政府組織)です。
NGOは、各国の政府や国連から独立して活動を行う民間の団体です。
環境保全、医療などに多くの団体があり、世界各地で国際協力の活動を行っています。
ノーベル平和賞をおくられた国境なき医師団やアムネスティ・インターナショナル、子どもの権利の保護を目的として活動するセーブ・ザ・チルドレン、開発援助を行うBRACなどがあります。
核兵器禁止条約のほかに、NGOが兵器の使用を禁止する条約を成立させた例として、クラスター爆弾禁止条約、対人地雷禁止条約があります。
国と国での話し合いでは合意が難しいことでも、NGOの働きかけが大きな影響を与えることもできるということです。

現在、世界中には1万5000発の核兵器があります。
そのほとんどはロシアとアメリカが保有しており、フランス、中国、イギリスが続きます。
これらの核保有五大国以外に、パキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮も核兵器を保有しています。
核兵器禁止条約にはこれらの核保有国と「核の傘」に入っている日本、ドイツ、韓国などの国は参加していません。
今年の8月6日の平和宣言で松井市長は核兵器禁止条約にふれ、「日本政府は核保有国と非保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい」と述べました。
被爆国である日本も、国としては条約に参加できない難しさがあります。
「核兵器のない世界」を実現するためにはまだたくさんの解決しなければならないことがあります。
みなさんも「核兵器のない世界」の実現に向けて何ができるか考えてみてくださいね。

(皆実教室F)