いきものばんざい(98)

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トビ【ねらわれるおにぎりや唐揚げ ~トビ~】タカ目タカ科
ピーヒョロロロ~という独特な鳴き声、羽ばたかずに上空を旋回する姿、カラスとけんかする様子など、数を減らしている猛禽類の中で、私たちの暮らしに最も身近な種といえます。「とびに油あげをさらわれる」という言葉にもあるように、急降下して人間の食べているサンドイッチやハンバーガーなどをかっさらっていくこともあります。有名な観光地では、トビに食べ物をうばわれないようにするための心がけを公開しているところも。が、これは人間に餌づけされた経験を持つ個体が始めたことで、野外では普通人間には近づきません。餌が減っているのか、繁殖期で餌がたくさんほしいのか、他にも理由はあるでしょうけれど、餌をやったりしないでね。

いきものばんざい(97)

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コガネムシ【メタリックで金持ち? ~コガネムシ~】甲虫目コガネムシ科
 カナブンやコガネムシの外羽はメタリックで美しい。別に黄金虫は金持ちだ~♪からメタリックなのではなく、生物的な意味があるはずです。緑や黒っぽい色は自然の中にとけこみやすいからでしょうが、なぜぴかぴか光を反射することを選んだのか? タマムシやクジャクの羽、CDの裏面などに見られる、非常に細かい構造によって光が分かれる現象を「構造色」といいます。アワビの貝殻の内側もそうですね。昆虫の中にはこの構造色を身にまとっているものがけっこういます。奄美大島や沖縄島北部の森林などが世界遺産に登録されましたが、この地域では2020年にメタリックな体色を持つ新種のゴキブリが発見されています。

いきものばんざい(96)

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アメンボ【水上にうかぶ技  ~アメンボ~】カメムシ目アメンボ科

1円玉を水面に静かにおくと、水の上に浮かんだままで沈みません。水の表面はうすい膜がはったようになっており、物を支える働きがあります。これを表面張力といいます。アメンボは体重が約40㎎と非常に軽く、また足の先には細かい毛が生えており、おまけに足先から油を分泌しているため、水をはじいてぬれないようになっています。軽くて水をはじく。それでアメンボは沈まないのです。アメンボが浮いている水に洗剤をたらすと、沈んでしまうそうです。油がとけてしまうからですね。ちなみにアメンボは「飴棒」から。飴のようなにおいがし、細長い体を持っているため、この名を持っています。

いきものばんざい(95)

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シオカラトンボ【フラッター防止器官 ~シオカラトンボ~】トンボ目トンボ科
メジャーなトンボで、よく見かけます。オスは成熟すると青みがかった灰白色の粉におおわれるため、この名があります。シオカラトンボというよりシオトンボですね。メスはオスと色が違って黄色に近いのでムギワラトンボとよばれることもあります。さてトンボの中には羽の先に色がついているものがいますね。これを「縁紋」といいます。単なる模様ではなく、飛行中に生じる有害な不規則振動(フラッターといいます。航空機にも起きる現象です。)を消す働きがあります。フラッターは高速になればなるほど起こるものなので、トンボの高速飛行を支えている一つがこの小さな器官。ああ神は細部に宿りたもう。

いきものばんざい(94)

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アマガエル【雨蛙 ~アマガエル~】無尾目アマガエル科
 普通のカエルは繁殖期の夜になると、メスを呼ぶために鳴きますが、アマガエルは名前の通り、雨がふりそうになると繁殖期でなくても昼でも鳴き始めます。カエルの仲間では比較的乾燥に強いのですが、やっぱり雨はうれしいんでしょう。カエルは進化の中で、初めて声帯を使って鳴いた生物と考えられています。世界にあふれる数々の歌も、彼らの進化の末にあると思うと、面白いですね。田んぼなどにいて、平面的な生活をしているトノサマガエルなどに比べ、樹上などで垂直的な暮らしをしているため、指先に吸盤があるのもキュートなところでしょうか。

いきものばんざい(93)

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アオサギ【はっきりしないサギ? ~アオサギ~】ペリカン目サギ科
日本で広く見かける鳥です。青というより、青みがかった灰色ですが、昔の日本語でははっきりしない薄い色を「青」といっていました。明るい色は「赤」、暗い色は「黒」、はっきりした色は「白」(はっきりとわかるようにしたマークを「しるし」ともいいますね)と呼び、古くはこの4色しか色の名前がなかったのではないかとも考えられています。このはっきりしない色のサギさんは本州では留鳥として年中河川や河口などで見かけます。つばさを広げると1.7mほど。そういえば昨年コウノトリが東広島で目撃されていましたね。こちらのほうがやや大きいです。神戸から放鳥されたものだったみたいですが、繁殖してほしいな。

いきものばんざい(92)

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スッポン【カメらしくないカメ ~スッポン~】カメ目スッポン科
 見た目は明らかにカメですが、スッポンの甲羅は他のカメとちがってやわらかいのが特徴です。(いわゆるコラーゲンを多くふくんでいます。)普通のカメは硬くて頑丈な甲羅を持つことによって防御力を高めました。そのかわり運動性は犠牲にされ、「ウサギとカメ」に歌われるように動きも遅くなってしまっています。スッポンの甲羅は重量も軽く、足も動かしやすいので、早いスピードで移動できます。防御力より逃げ足の早さを優先させた進化をしています。やわらかい甲羅や手足。ウロコもない。カエルとカメの中間的な存在にも思えます。恐竜の化石で有名な福井県からは、世界最古のスッポンの化石が見つかっています。

いきものばんざい(91)

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スズメ【身近な野鳥 ~スズメ~】スズメ目スズメ科
 人間の集落ができると現れ、人間がいなくなると姿を消すといわれています。人間に対する警戒心が強いわりに、人間のそばで暮らすという、考えてみれば面白い性質をもっています。人間のそばにいれば天敵にもおそわれにくいということなのでしょう。人間や人工物を利用して共生する野生動物を「シナントロープ」といいます。ツバメが人家に営巣するのもそうですし、かつてはコウモリも人家に共生していました。最近は家屋に隙間が少なくなったためか、あまり見かけなくなっていますね。以前、方言の調査で山口県の山間部のお宅を訪問したとき、上を見上げると、大きな梁のところにアオダイショウがいらっしゃったのを思い出します。

いきものばんざい(90)

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バナナ【松尾芭蕉は松尾ばなな ~バナナ~】ショウガ目バショウ科
 もともと熱帯原産の植物で,日本では沖縄や鹿児島,小笠原諸島など限られたところで作られていましたが,最近は品種改良で他の地域でも生産が可能になりました。とはいえ,今でも輸入が多くをしめています。多くはフィリピンから。熱帯地方では主食のように食べられていますが,南米や東南アジアなどで菌によるバナナの病気が広まりつつあり,バナナがなくなるかもしれないとも言われています。新型コロナウイルスとの戦いも目に見えない戦いですが,生物どうしの生存競争はほかにもたくさんあるのです。松尾芭蕉といえば有名な俳人ですが,今風に言えば松尾ばなな。庭にバショウの木があったからだといいますが,彼はバナナを食べたんですかね。

いきものばんざい(89)

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キビシロタンポポ【タンポポは白? 黄色?】キク目キク科
 タンポポは身近な植物で、理科の学習でもよく登場します。綿毛をふうっと飛ばした経験のある人も多いでしょう。タンポポは黄色いイメージがある人が多いのではないかと思いますが、岡山から広島にかけての瀬戸内沿岸部ではカンサイタンポポという在来種の黄色いタンポポが多いからです。それ以外の地域では白いタンポポ(シロバナタンポポなど)が普通に見られており、外来種のセイヨウタンポポが入ってくるまではタンポポといえば白、と思っている地域も多かったのです。白いタンポポにはキビシロタンポポもあり、これは中国地方に多いタンポポです。