いきものばんざい(119)

カテゴリー: ■いきものばんざい

【闘う魚 ~ベタ~】スズキ目オスフロネムス科
 東南アジア原産の熱帯魚です。色の鮮やかさも目をひきますが、強いなわばり意識を持ち、「闘魚」という別名のとおり、他の個体が近づくと激しく威嚇・攻撃する性質を持ちます。背びれや尾びれ、エラまでを最大限に広げ、ふるわせて威嚇します。1匹で飼っている場合は、鏡を使うとこのフレアリングが観察できます。また、ベタはラビリンス器官という空気呼吸が可能なしくみを持っており、水中の酸素が少ない状態でも生きていけます。熱帯の川は流れもおそく、水温も高いため、酸素が水にとけにくい状態です。これに適応したものと考えられています。日本人が海藻を消化できるように環境に合わせて適応したのと同じですね。

生き物ばんざい(118)

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シマヘビ【毒はありません ~シマヘビ~】有鱗目ナミヘビ科
 道路で車にひかれてぺっちゃんこになっているのがよく見かけられた一般的なヘビで、カエルをねらって水田や水路によくいたものです。ぬけがらもよく見かけました。今はずいぶん見られなくなってしまっていますが、先日、川の堤防の上の散歩道で見かけました。日本にいるヘビは30種をこえますが、本土に生息するのは8種(ツチノコはふくみません)。そのうちの1つです。ヘビは手足がなく細長い体が特徴的ですが、口を大きくあけることができる骨の構造や、赤外線を感じる器官をもつなど、結構変わり種の種ではあります。

いきものばんざい(117)

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アシナガバチ【なぜ六角形の巣をつくる? ~ハチ~】ハチ目
ハチの巣に見られるような六角形の立体構造は、「ハニカム構造」と呼ばれています。(「ハニカム」は「ミツバチの巣」といったような意味です)このしくみの最大の特徴は、少ない材料で最大の広さがある部屋をつくれることです。丸い形をしきつめていくと、確かに間にすきまができてしまいますね。昆虫の複眼やカメの甲羅などもハニカム構造になっています。工業製品にもこれを応用した部品が多く使われています。しかし、ハチはどのようにしてこれを学んだのか? などと考え始めると、やはり神様がいるのではないかという思いに行きつくことがあります。

いきものばんざい(116)

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サネカズラ【万葉の頃から ~サネカズラ~】アウストラバイレヤ目マツブサ科
舌をかみそうな目に分類されていますが、日本では数が少ない仲間です。実は一度見たら忘れられない形をしています。奈良時代にはこの実からとれる液を整髪料に使っていたと考えられており、昔の日本人にはなじみの深い植物だったようです。
百人一首にも歌われていますね。
名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな  三条右大臣
だれにも知られないように、恋しい人と連絡を取る方法がほしい、というスマホなどのない時代の心情が感じられる和歌です。

いきものばんざい(115)

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ミズカマキリ【水遁の術 ~ミズカマキリ~】カメムシ目タイコウチ科
 忍者が口に竹筒をくわえて水に潜って逃げる「水遁の術」。お尻から長い呼吸管を伸ばして水に潜って獲物を待つ姿が似ているなあ、と子どものころ感じていました。タガメやタイコウチなど、こういった水生昆虫は田んぼが減るとともに見られなくなっています。ミズカマキリは飛ぶ能力が高いので、夏が終わったプールなどにもやってくることがあると思いますが、それでも数は減っています。餌になるメダカやオタマジャクシ自体も減っているからです。身の回りで食物連鎖を目にする機会が減っているわけで、生物に関する知識がうすいのも、このあたりが原因の一つでしょうか。

いきものばんざい(114)

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コーヒー【植物は薬剤の宝庫 ~コーヒーノキ~】リンドウ目アカネ科
 コーヒーノキの実をひいて粉をつくり、それをお湯で濾した飲料がコーヒーです。日本では沖縄や小笠原諸島などでわずかに生産されています。コーヒーの成分、カフェインは眠気ざましの効果で知られていますが、昔から人々は経験から学び、薬として植物を用いてきました。のど飴に入っているショウガやカリンもその例のひとつです。菌類ではありますが、抗生物質のペニシリンがアオカビから見つかったことはよく知られているとおりです。今はトウモロコシやジャガイモなどを使って植物に薬を生産させる方法の研究も行われているんですよ。植物が果たしている役割はとても大きいのです。

いきものばんざい(113)

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ミツバチ【小さな働き者 ~ミツバチ~】ハチ目ミツバチ科
 はちみつは集めてきた花によって味が違うといいますね。ふ化した直後から花の蜜を集めて回りますが、一匹が一生のうちに集める蜜の量はスプーン一杯程度、といわれています。値段が高いのもうなずけます。保存用や子どもの食料としてがんばって集めているわけなので、くまのプーさんは集めた富を奪う黄色い略奪者、ということになります。ミツバチは植物の受粉にも大きく関わっているため、ミツバチがいなくなると野菜や果物の生産に大きな影響があると考えられています。その意味では、私たち人間の小さな、でも偉大なパートナーということになります。

いきものばんざい(112)

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ツクシ【春先の筆 ~スギナ~】シダ植物門トクサ綱トクサ科
 スギナはシダ植物に属しますので、種子ではなく胞子で増えます。この胞子を出すための器官をツクシといっています。筆のようなかたちをしているので「土筆」と書きますね。スギナはツクシとは全く異なる外見をしているので、別の植物だと思っている人もいるかもしれません。ツクシの胞子は以前教室の顕微鏡で見た人もいるでしょう。丸い胞子から細長いひものようなものが出ており、湿気を帯びると縮み、乾燥すると伸びます。吹き飛ばさないように気を付けて息をふきかけると、うでを伸び縮みさせる様子が楽しめます。

いきものばんざい(111)

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コツメカワウソ②【まだいる? ~ニホンカワウソ~】食肉目イタチ科
 カワウソの仲間は泳ぎが得意で、水中の生活に適応しています。ニホンカワウソは、かつて日本にも広く生息し、水辺で普通に見られました。カッパのモデルになったという説もあります。環境の変化や乱獲などで、明治ごろから姿を消し始め、1979年に高知県の新荘川での目撃例が最後とされ、環境省は2012年に絶滅指定しています。しかし、絶滅したと言われながら、再発見された例も多いのです。かつてアホウドリもそうでしたし、最近では1940年に田沢湖で絶滅したとされたクニマスが、2010年に西湖で発見されました。高知県の仁淀川や長崎県の対馬でもニホンカワウソではないかという目撃情報があります。生き残っていてほしいですね。※画像はコツメカワウソ

いきものばんざい(110)

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アメフラシ【海兎 ~アメフラシ~】軟体動物門腹足綱
優雅な名前ですが、海中でまるで雨雲がたちこめるかのように広がる紫色の液を出すことからの命名だという説があります。ウミウシに近い仲間で、見た目も割と似ています。夏に潮だまりで産卵しますが、その卵の名は「海そうめん」。岩かげに黄色い焼きそばっぽい感じのものがついていれば多分それです。どちらも多少グロテスクといえばグロテスクなのに本体も卵も何と抒情的な名前で呼ばれているのでしょう(笑)。アメフラシの頭部には二本の突起があるため、海兎という名もあります。ウミウサギという純白の貝もありますが、これとは別。これまた風雅な名ですね。