それでもI will be…(227)

今年はアメリカ合衆国の東部で、「十七年ゼミ」が大発生する年だそうだ。
日本にいるセミは七年の幼虫の時期を過ごし羽化するけど、それは毎年恒例のことだよね。

でも、この「十七年ゼミ」は十七年に一度だけ、いっせいに羽化するセミなんだ。
つまり他の十六年の間は、このセミの成虫を見ることはないってこと。

今回のブログのテーマは、この「十七年ゼミ」のほかに「十三年ゼミ」もいて、それがいずれも素数であるということです。

なぜ、17とか13といった素数の周期になっているのだろう?
君たちも知っている通り、「素数」とは、「1とその数以外の整数では割れない数」のことだったね。
ということは、同じ地域で発生する「十七年ゼミ」と「十三年ゼミ」は最小公倍数、17×13=221年ごとにしか同時に羽化しないことになる。
このことが「種の交雑」を避けるのに有利になっているのではないか? という説が有力なんだ。
また、17年、13年という長さは、天敵の寿命よりも長く、そのことも種の保存に役立っているとも考えられているんだよ。

5月後半から6月にかけて、「十七年ゼミ」は数十億匹がいっせいに羽化するとのこと。
地面に這い出る幼虫のあまりの多さに「地面が動いているように見える」し、羽化した成虫が「木をびっしりと覆い尽くす」様は、虫嫌いの人たちには地獄かもしれない。
でも、当のセミにとっては「種を残す」ための大切な知恵なんだね。

自然界にも「素数」が密接に関わっているという話でした。

(アイル代表S)