気になるニュース21回「最古のお金」

yoake.jpg【問題】
日本で最も古いとされる貨幣(かへい)の名前は何ですか。



【解答】
富本銭

以前は日本で一番古い貨幣は708年に発行された「和同開珎」だとされていました。(私が習ったときはそうでした)
富本銭は1969年以降、平城京跡から数枚発掘されていましたが、まだいつのものか特定できず、奈良時代のおまじないに使ったお金ではないかなどと考えられていました。
ところが、1999年に奈良県の飛鳥池遺跡の発掘調査で33枚もの富本銭が発見され、7世紀後半には飛鳥で貨幣が作られていたことがわかりました。
また、『日本書紀』には天武天皇が683年に銅銭を使うように命令したこと、694年と699年に貨幣を作るための役所を置き、役人を任命したことなどが記されています。
さらに、富本銭が発掘された地層から、700年以前に建立された寺のかわらや、687年を示す「丁亥年」と書かれた木簡が出土していることなどをもとに、和同開珎よりも古い683年に鋳造された貨幣である可能性が極めて高い、と奈良国立文化財研究所が発表したため、「日本最古の貨幣発見!」と大々的に報道されました。
さて2008年3月、昨年の秋に奈良県の藤原京遺跡から出土した富本銭9枚がこれまでのものと別のタイプらしいという報道がありました。
直径は約2.4センチでほぼ同じですが、重さは約1.5倍。
字体や成分も異なったものがある。
これで少なくとも富本銭の鋳造(ちゅうぞう)が、2度はあったことになり、日本の貨幣の始まりについて、核心に迫る発見です。
藤原京への遷都(せんと…都を移すこと)と同時に貨幣を作る工房も移り、別のタイプの富本銭を作ったのではないかという説も出てきています。
それも遷都を祝う記念硬貨だった可能性も。
富本銭は「国や民を富ませる本(もと)」という意味だそうです。
そこにこめられた為政者(いせいしゃ…政治を行う人)の思いはどのようなものであったのでしょうか。
政治とは何をおいても国民のことを第一に優先する。それでこそ、住みよい国が作れる。
そんな強い意志が感じとれる命名ですね。
(五日市教室A)
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