気になるニュース第262回 「重力波」

【問】

2016年2月11日、アメリカの研究チームが「重力波」の観測に成功したことを発表しました。
さて、その重力波の存在を100年前に予言していた科学者とはだれでしょうか。

【答】

アインシュタイン

重力波とは、ブラックホールのように非常に質量の大きなものが動く際に、まわりの時間や空間がゆがみ、そのゆがみがなみのように伝わる現象のことで、今年からちょうど100年前の1916年に、アインシュタインという科学者が一般相対性理論から予言していたものです。

この理論は、宇宙の膨張やブラックホールの存在を示す数多くの観測などから正しさが確かめられてきましたが、重力波による時間や空間のゆがみは極めて小さいため、観測に成功した例はこれまでありませんでした。

今回観測に成功したチームも2002年から2010年の間観測できず、検出装置を改良して観測し始めた直後に成功したとのことです。
この重力波の観測は世界中で進められていて、日本でも岐阜県飛騨市に「大型低温重力波望遠鏡」(通称かぐら)を建設して、昨年ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんらが検出を目指しています。

今回の観測の難しさはその波の小ささにあり、それは「地球と太陽との間で水素原子1個を探すようなもの」とたとえられています。
そんなことのできる機械や仕組みを考える人間の知恵や探求心にも驚かされますね。

(皆実教室T)