いきものばんざい(47)

スミレ【遠くへ遠くへ ~スミレ~】キントラノオ目スミレ科

 足元でひっそりと咲いているイメージのスミレですが、結構たくましい植物でいろんな場所で見かけます。スミレは咲いた花ではほとんど受粉しません。花の時期が終わったあとに、花の開かない花(変な日本語ですが、これを閉鎖花といいます。)ができ、この中で自家受粉をして種を作ります。この方がエネルギーを使わず、多くの種を作れるという計算なのでしょうか。果実は熟すと種子を2~5m近くまではじきとばします。さらに種子の表面にはエライオソームという、アリが好む物質がついているので、アリはこれを巣へ持ち帰り、まわりだけ食べてあとはポイ。こうやって種子を遠くまで運ぶのです。