気になるニュース488回「条約の採択から3年」

【問】

2017年7月に採択されてから3年以上かかり、今年の10月に発効することが決まった、核兵器廃絶を目的とした条約の名前を答えなさい。

【答】

核兵器禁止条約

核兵器禁止条約は、核兵器のあらゆる開発や実験、保管、使用を禁じたもので、史上初めて核兵器を「非人道的で違法」とした国際条約です。
2017年7月に核兵器禁止条約が国連加盟国の6割を超える122か国の賛成により採択(さいたく)され、9月から各国による署名(しょめい)が開始されました。
2020年10月24日に、批准(ひじゅん)した国が発効(はっこう)の条件である50か国に達しました。

さて、ここで難しい言葉がたくさんでてきましたね。
まず「採択」とは、条約の内容を「これでいいです」と決定することであり、「署名」とは条約に「参加します」という意思表示です。
次に、「批准」とは、国としてその条約に「正式に同意」したことを意味し、「発効」とは、条約の内容が「効力を発揮する」ことをいいます。
核兵器禁止条約は、50以上の国や地域が正式に参加することに同意を得たことで、来年の1月22日から条約の効力を発揮することができるようになったわけです。

唯一の被爆国である日本こそ、率先して批准すべき条約のはずですが、アメリカの核の傘によって守られている状況であるため、この条約に参加していません。
ただ、これからこの条約を批准する国がもっと増えてくれば、核保有国に対する風当たりも強くなり、この状況も変わってくるかもしれませんね。

(皆実教室T)