気になるニュース743回「今年の漢字」

【問】

12月15日、2025年の世相を表す漢字一文字が発表されました。京都の清水寺で発表された「今年の漢字」は何だったでしょう。

【答】

「今年の漢字」は、公益財団法人日本漢字能力検定協会が、はがきやインターネットで全国から募り、最も多かった1字を選ぶもので、今年で30年目です。
2025年は応募総数18万9122票の2万3346票を集めた「熊」に決まりました。全国で熊の被害が相次いだことや、パンダ(熊猫)の中国への返還などが理由だと考えられます。
ちなみに、2位はコメの価格高騰や米国のトランプ大統領就任などから「米」(2万3166票)、3位は高市早苗氏の首相就任や物価高などから「高」(1万8300票)で、1位の「熊」と2位の「米」との差はわずか180票でした。

広島県でも熊の目撃情報が報じられることが多くなりました。これは耕作放棄地などが増え、熊の生息域が拡大したことや、生息数自体も増加していることが考えられます。実際、広島県、島根県、山口県の3県が共同で継続的に実施している「西中国山地」のツキノワグマ個体群に関する調査報告では、平成10年から令和2年にかけての20年間で、西中国山地の熊の推定生息数は約2.7倍にも増加したとされています。

2025年は11月までの速報値で、中部、関東、東北、北海道で人が熊に襲われる被害が230件と例年以上のペースで起きています。熊への対処に関しては様々な意見がありますが、まずは国民(住民)が安心、安全に暮らせる体制を築くことが大事です。駆除をする人の負担もニュースで見聞きしますが、行政による情報共有や緩衝帯、電気柵の設置、個人ではレジャーのときゴミを持ち帰ることやゴミ出しのルールを守ることなど、対策を徹底することが大切だと思います。

(己斐教室M)