それでもI will be…(239)

20130806暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
夏になると必ず思い出すのがこんな歌。

あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ (小野茂樹)

「あの夏の」という歌い出しは大胆で、なかなかできない表現だと思います。
下手な歌人が読めば、たちまち陳腐へと落ちてしまうでしょう。

それはともかく、この歌に溢れる若さ、情熱というのは、若者ならではですよね。
もし、青春というものが形を持つことがあるならば、この歌は青春のある瞬間を切り取って、57577という定型に永遠に閉じ込めたものといえそうです。
(ちなみに小野茂樹は34歳で夭折していますので、個人的には、けっして年を取らないピーターパンのようなイメージです。)

もちろんこの歌は恋歌なのですが、毎年、夏期講習で教えている子ども達の表情とも重なります。
とりわけ成長著しい6年生の顔は、まさに「数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情」であり、そうした瞬間に出会える私たちは幸せだなと、そんなことを思うのです。

さて、夏期授業も後半戦に入ります。
しっかりとがんばっていきましょう。

(己斐教室S)

※この原稿を書いている時点では気づきませんでしたが、掲載日は8/6となります。当日には、風化させてはならない過去の夏へと思いを馳せたいと思います。