気になるニュース197回「赤い砂時計に注意」

セアカゴケグモ【問】

外国から人為的に持ち込まれ、定着した生物を「外来種」といいます。
今年日本各地で発見され、大きくとりあげられている毒グモの名前は何ですか。

【答】

セアカゴケグモ

1995年に大阪府高石市で発見された強い毒を持つクモです。
オーストラリアが原産のクモですが、飛行機や船舶などによって移動してきたと考えられ、今では日本各地で発見されており、定着していることが確実です。
メスの方が大きく、10~14ミリ、腹部の中央に砂時計の形をした斑紋があります。
ただ、攻撃性はなく、おとなしいクモで、素手でさわったりしない限り噛まれることはないそうです。

日本では自動車によって生息範囲を広げている可能性が高く、山陽自動車道でも福山SAや宮島SAなどで多数のセアカゴケグモが発見、駆除されています。
排水溝とか植木鉢の中とかに巣を作ることがあるので、掃除のときにうっかり触れてしまわないようにしないといけません。
みなさんも気をつけてください。
昆虫はあっというまに生息範囲を広げます。

※日本生態学会が指定した「侵略的外来種ワースト100」から少し紹介します。
・アライグマ…ペットの遺棄から。雑食性なので植物・動物相に大きな影響がある。
・ヌートリア…毛皮採取のため移入したものから定着。農業被害以外にも、水際に巣を作るため堤防の決壊を招いたりする。岡山・島根県などでは3000頭を駆除したが、減少せず。
・カミツキガメ…ペットの遺棄から。漁業に打撃がある。
・グリーンアノール…小笠原諸島や沖縄県に定着。小笠原では昆虫などを捕食、小笠原固有種が壊滅的に。
・ブラックバス…食料として導入されたが、戦後全国へ拡大。固有種を駆逐して漁業にも大打撃を与えているが、釣りファンとの間で放流と摘発が繰り返されている。
・アルゼンチンアリ…1993年に廿日市市で生息が確認され、あっという間に全国に拡大中。真冬でも活動する。実は世界にも拡大中。

(五日市教室A)