畑のありんこ(516)

春菊鍋物つながりで、春菊です。
香りの高い野菜で、味噌汁に入れてもお浸しにしても存在感がありますね。
摘んでも脇芽が出てくるので、毎年とっては食べ、とっては食べしているうちに春が来て花が咲き、咲き終わってからプランタの整理をしています。
花も結構愛らしいので、ある時期が過ぎてからは蕾をつまないようにしています。
きっと咲きたいだろうなあ、と勝手に感情移入しているからでもあります(笑)。

白菜、大根、春菊、小松菜と栽培していると、味噌汁の具とか、鍋に入れる野菜とかはある程度自給できます。
とはいえ、あまりたくさん作ると食べきれない、ということが起きます。
近所で畑をしている知り合いは、トマトとかサヤエンドウとか欲張って作りすぎて、親戚一同友人その他におすそ分けして回っても処理しきれず、冷蔵庫の中に一年分冷凍ものがある、とぼやいていました。
もうあんなに作らないことにする、といいながら翌年別の野菜が山のように育てられていたりするんですよね(笑)。
やはり収穫するのは楽しいし、それをおいしいといって食べてくれる人がいると、また張り切ってしまうものなんです。

便利な世の中、生きていくのに必要なものを何か自分の手で作っている、という実感を忘れないようにしたいと思っています。
どんなに科学が進んでも、一年にコメが5回とれる、とかいうふうにはなりません。
耕して、植えて、収穫して、食べて、という作業は何千年も繰り返されてきた営みです。
いくらかそれを知っている、ということにすぎませんが、目先の便利さだけ追いかけてしまうことのないように自分を戒める材料でもあります。

(五日市教室A)