気になるニュース第352回「エルサレム問題」

【問】

国連の安全保障理事会は、エルサレムをイスラエルの首都と認定したアメリカに、その撤回を求める決議案を採決しましたが、アメリカの反対によって廃案となりました。
この常任理事国が持つ、他の国々の意見を1か国で押し切れる権限の名前を答えなさい。

【答】

拒否権

国連の安全保障理事会は、常任理事国5か国(アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国)と非常任理事国10か国(任期2年)の15か国から構成されています。

決議には常任理事国を含む9か国以上の賛成が必要で、今回にように常任理事国が1か国でも反対すると否決されてしまいます。
これが拒否権です。

今回のエルサレムの問題は、この地域の平和と安定のために、もともとアメリカを含むほとんどの国々が、エルサレムをイスラエルの首都と認めない姿勢を保っていたものでしたが、この度トランプ大統領が、国内の一部の要望にこたえる形で、その態度を変えたことから起きたものです。

それにしても、常任理事国4か国を含む14か国すべてが賛成したものを、アメリカ1か国でつぶすことができる力は、果たして何のために必要なのか、を考えさせられる出来事でした。

(皆実教室T)