気になるニュース399回「来訪神」

【問】

11月末に秋田県のナマハゲなどが登録されることになったものとは何ですか。

【答】

無形文化遺産

いわゆる世界文化遺産といえば、万里の長城やピラミッドなど、形のある建築物などを指しています。
それに対して無形文化遺産とは、各国各地方の音楽やダンス、祭り、儀式や伝統習慣、工芸など、特に決まったかたちを持たない文化を保護対象とするものです。
日本ではこれまでに、歌舞伎や能楽、アイヌの古式舞踊、和紙や和食などが指定されています。

今回「来訪神:仮面・仮装の神々」として指定されたのは、すでに登録されている甑島のトシドンをふくめ8県にわたる10件もの来訪神です。
一番有名なのは秋田の男鹿のナマハゲ、次いで宮古島のパーントゥでしょうか。
パーントゥが、厄払いとして悪臭のする泥を集落の家や人になすりつける映像が流されていたので、見た人もいるでしょう。
来訪神とは、一年の決まった時期に現れ、幸福や豊穣をもたらすとされる神々です。
いずれも地域の習俗を色濃く残す行事ですが、最近ではパーントゥに服を汚された、臭いがとれないなどといった苦情が観光客などからあり、存続も危ぶまれていた行事です。

無形文化遺産に登録されたことで、保存の方向へと向かうのでしょうが…神様を文化遺産として登録する、というのも何だか妙な気がしますね。
広島では、壬生の花田植えが無形文化遺産に登録されています。

(五日市教室A)