気になるニュース496回「豪雨災害対策」

【問】

次々と発生した積乱雲群によって数時間にわたって強い雨が降り続ける雨域のことを何というでしょうか?

【答】

線状降水帯

一般的な天気予報などでこの用語が使われるようになったのは、2014年の広島土砂災害以降と言われています。その発生メカニズムは解明しきれてはいないものの、近年甚大な被害を起こしているこの現象に対応するため、気象庁は今年の夏から線状降水帯注意情報の発表を始めることに決めました。

ただし、通常の雨と違って予想は難しく、まずは発生しつつあることを発見した段階で注意情報を出し、少しでも避難準備などを早く始められるようにする、といった形式で始められます。同時に気象レーダーを最新型に更新することや、東シナ海の水蒸気量や海底地形の調査など、多角的に雨雲の原因を探っていくことになっています。

今後の具体的な目標は2022年には収集したデータをもとに線状降水帯発生の半日前での予報を、2030年には災害発生の危険度を地域ごとに示せるようにすることを目指しています。自然現象を完全に制御しようというのは人間の思い上がりでしょうが、そういった事象に適応しつつ生きていくためにも、こうした技術の進歩は重要ですね。

(五日市教室T)