いきものばんざい(105)

スミレ【念には念を ~スミレ~】キントラノオ目スミレ科
 スミレは虫に花粉を運んでもらう虫媒花です。春に開花しますが、花びらの内側が目立つ模様になっているのも虫を呼ぶため。花びらを細長く筒状にして、特定の虫だけが蜜をもらえるしくみになっています。さらに夏には開花をやめ、閉鎖花というつぼみの状態で自家受粉します。虫に花粉を運ばせる方法と、自分自身で受粉する方法の二段構えです。さらに種子を遠くまで発射できるうえに、種を運んでもらうためにエライオソームというアリが好む物質を種子につけています。一体何段構えの戦略なんだ…と思いますが、これが地面の上20cmで繰り広げられている生存競争の一つです。