気になるニュース第550回 「次の世界遺産候補」

【問】

政府が2023年の世界文化遺産登録を目指している場所はどこでしょうか?

【答】

佐渡金山

新潟県、佐渡島にある金山です。世界文化遺産に登録されている石見銀山の銀は、室町時代後半~江戸時代前半にかけてかなりの量(一説では日本産の銀が世界で流通した銀の3分の1とも)が海外に流通しましたが、佐渡金山も最盛期であった江戸時代初期には、年間400kg以上の金が産出され、当時としては世界最大級の金山でした。徳川家康も、佐渡金山を幕府の直轄領とし、江戸幕府の財源にしました。

重要文化財や史跡も多く、世界文化遺産に登録されてもおかしくない内容ですが、いくつか懸念もあるようです。例えば、世界文化遺産登録による経済効果があります。コロナ禍で経済が冷え込む中、経済効果が約520億円という試算は確かに魅力的です。しかし、似た形式の世界文化遺産である石見銀山遺跡で、観光客数が爆発的に増えたのは2年ほどで、佐渡金山も似たような立地にあるため、同様の現象が起こるかもしれません。
 
東京オリンピックでの誘致問題なども思い出されますが、こういった誘致や登録といった目標は、そこがゴールではなく、選ばれたあとにそれをどうやって継続するか、どうやって最大の効果を出すか、起こり得る問題点は何かを考えることが大切です。無理矢理つなげるようですが、中学受験も同じです。〇〇中学に合格するぞ、だけでなく、その後どういう人間になりたいかまで考えて、自身を磨いていくことが大切なのです。

(五日市教室T)