気になるニュース96回「193番目」

【問】
7月9日に北アフリカのある国が独立しました。7月14日に行われた国連総会で、この国の国連加盟が承認され、193番目の加盟国と成りました。この国の名前を答えなさい。


【答】
南スーダン共和国

以前からスーダン共和国内では、北部と南部の民族間で対立がありました。
北のアラブ系(イスラム教徒主体)中心の政府の支配に対する、南の非アラブ系住民(キリスト教徒主体)の戦いであるとされており、対立の始まりは17世紀にまでさかのぼるそうです。
その後、イギリスがスーダンを制圧し、南北を分断して支配していました。
ところが、1946年にイギリスが南北の統合を決めたため、南部でもアラビア語が公用語とされました。
北部中心の政治が行われたため、南部では不満がさらに高まっていきました。
政治的不満や天然資源の利権など、さまざまな要因があって、スーダンでは2005年まで民族紛争をくり返していたのです。
今年の1月、南部の独立の是非を問う住民投票が実施され、約99%の住民がスーダン共和国からの分離・独立を選択しました。
これを受け、7月9日付で南部が「南スーダン共和国」として独立し、7月14日には国連総会において全会一致で国連への加盟が認められ、193番目の加盟国となりました。
しかし、問題は山積みです。
スーダンの石油資源は南部に多く埋蔵されています。
ところが、採掘した原油の輸送や精製、輸出などのノウハウを持っているのは北部のスーダンです。
そのため、利益の配分などで、まだもめていると聞きます。
北部スーダン(スーダン共和国)は国境付近の油田に軍隊を派遣しており、これを受けて国連はPKOを新たに緊急派遣する予定です。
その他にも、社会保障や医療、教育など、国家として取り組まなければならない問題が山積みです。
そこで国連は、日本に対しても開発支援のために陸上自衛隊の派遣を求めています。
東日本大震災の復興で世界の支援を受けた日本にとっては、恩返しをするチャンスといえるでしょう。
新しい国が、国際社会の仲間になるということは、祝うべきことですね。
日本も国際社会の一員として、南スーダン共和国を支えていかねばならないと思います。
(五日市教室A)