気になるニュース122回「共有が難しいもの」

【問】
先日、日本海に浮かぶある島に、大韓民国の現職大統領が上陸し、日韓両国の関係が心配されています。
日本・韓国ともに自国の領土であると主張しているこの島の名前を答えなさい。


【答】
竹島(韓国では独島:ドクト)

2012年8月10日、大韓民国大統領である李明博(イ・ミョンバク)氏が竹島に上陸しました。
現職大統領としては、もちろん初めてのことです。
今回の上陸について韓国政府は、島の環境保護のための視察と説明しています。
実際は8月15日の日本からの独立記念日を前にした国民へのアピールともとらえる向きもあります。
韓国でも今年大統領選挙が行われますが、最近の李大統領は支持率が低下しています。
そこで竹島の実効支配を強めるとともに、竹島に初めて上陸した大統領として歴史に名を残し、愛国主義者として国民の支持を得たいという意図があるのではとも推測されています。
8月10日は、ちょうどロンドンオリンピックで男子サッカーの3位決定戦が日本と韓国との間で行われる日でした。
日本に勝った韓国の選手が、「独島(竹島)はわれわれの領土」と書いたサインボードを掲げたため、表彰式にも出ることができず、現在のところメダルの授与もされていません。
これは、オリンピックの理念のひとつである、「政治的なアピールの場にしない」というルールに触れたためです。
選手本人の責任も当然ありますが、李大統領のタイミングの悪さが引き起こした悲劇ともいえそうです。
もっとも、日本政府側の対応にも問題はありそうです。
ロシアのメドベージェフ首相は、大統領時代も含めて2度も北方領土を視察しました。プーチン大統領も北方領土を視察しています。
これらに対し、日本政府は強い態度を取れませんでした。
また、尖閣諸島問題に関して不適切な発言をした、丹羽在中大使の更迭もためらったままです。
このような日本政府の対応が、李大統領の行動に影響を与えたのではないでしょうか。
8月15日には香港の活動家が、日本の尖閣諸島に制止をきかず上陸し、海上保安庁に逮捕されました。これに対し、中国政府は無条件の即時釈放を要求しています。
領土問題は難しい問題ですが、政府は毅然とした態度で対応してほしいと思います。
それは攻撃的な態度をとったり、はれものにさわるような対応をするのではなく、相手の意見にも真摯に耳を傾け、きちんとした場で国際的な法にのっとって自らを主張することではないでしょうか。
(皆実教室M)