気になるニュース715回 「脱炭素社会に向けて」

【問】

自然界に存在する資源を用いた環境に優しい再生可能エネルギーとして注目されている「バイオマスエタノール」は、何からつくられているでしょう?

【答】

植物(トウモロコシやサトウキビなど)

バイオマスエタノールは、石油などの化石燃料の代替燃料として注目されています。
政府は2030年までにトウモロコシやサトウキビなどを原料とした「バイオマスエタノール」を最大10%混ぜた燃料を実用化するとしていましたが、この燃料を2028年から一部の地域で先行導入するということです。ガソリンなどに混ぜて使用することで、二酸化炭素の排出量を減らすことができます。
一方で、本来は食べるための作物を燃料にまわすことによって、食料価格の高騰や飢餓問題を引き起こす可能性が指摘されています。

現在、温室効果ガスによる地球温暖化による異常気象や海面の上昇が問題になっています。温室効果ガスのひとつが火力発電所や自動車から排出される二酸化炭素です。そこで、二酸化炭素の排出量をおさえたり回収したりして、排出を実質ゼロにする「脱炭素社会(カーボンニュートラル)」実現への取り組みが各国で進められています。

今後、バイオマスエタノールの生産が盛んなアメリカから輸入を拡大する見込みです。政府は輸入拡大によるバイオマスエタノールの安定供給と、アメリカとの貿易赤字を削減するねらいがあるようです。

(己斐教室N)