【問】
先月末に日本考古学学会で「4万2000年前の石器が広島県の冠遺跡で発掘された」と発表されましたが、この遺跡は広島県のどこの市にありますか。
【答】
廿日市市
今から4万2000年前といえば旧石器時代で、そのころに日本はまだ日本列島ではなく、ユーラシア大陸と陸続きだった状態です。
これまで国内で見つかった石器のうち、多くの研究者が最も古いと考えていたものが3万7000年前でしたので、それよりもさらに5000年ほどさかのぼると考えられています。
さらに、見つかった石器の一部はふちが削り取られてノコギリの歯のようになっており、中国大陸や朝鮮半島で見つかっている4万年以上前の石器と特徴が似ているということです。
あくまでも石器が出土した地層の年代測定の結果から分かったものですので、これからのさらに詳しい研究が必要のようですが、いずれにしてもこの石器は、日本列島に人類が到達した時期を考えるうえで、とても貴重な発見だと言えそうです。
それにしても4万年前の冠遺跡のあったあたりでは、人々はどんな生活をしていたのかとても興味深いですね。
(皆実教室T)