気になるニュース158回「偉大なる足跡」

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【問】

かつて、南アフリカ共和国で実施されていた「人種隔離政策」をカタカナで何といいますか。

【答】

アパルトヘイト

アパルトヘイトとは、白人と非白人を法律によって区別し、生活や経済、政治などにおいて差別化する政策のことです。
この政策の下、南アフリカ共和国では人種によって居住地や職業、列車やバス、公共施設の利用、異人種間の結婚の禁止など、さまざまな差別がありました。
アパルトヘイトに対して敢然と立ち向かい、南アフリカ共和国で初めての黒人の大統領に選出された人物が、ネルソン・マンデラ氏です。

マンデラ氏は若い頃から「反アパルトヘイト運動」を行っていたため、1964年には「国家反逆罪」で終身刑の判決を受け、その後27年もの間、刑務所に収監されていました。
しかし、マンデラ氏は1990年の釈放後も「反アパルトヘイト運動」を続け、1993年には当時のデクラーク南アフリカ大統領とともにノーベル平和賞を受賞しています。
そして1994年、南アフリカの全人種参加の選挙において、第8代南アフリカ共和国大統領として選出されました。

それから19年経った今年の12月5日、マンデラ氏はヨハネスブルグの自宅で息を引き取りました。
マンデラ氏の死について、デクラーク元大統領は
「マンデラ氏は、南アフリカ共和国で憲法に基づく民主主義の確立や、国民和解に比類なき貢献を果たした。マンデラ氏が示した模範は今後も生き続ける。」
と述べて、マンデラ氏の功績に敬意を表したそうです。

世界では今なお、国家や民族間の対立が後を絶ちません。
しかし、マンデラ氏が残した偉大なる足跡、「あきらめずに対話を続ければ、人は分かり合えるはずだ」という事実を、私たちは真摯に受け止める必要があると思います。

(皆実教室M)