気になるニュース176回「だけじゃない、日本の技術」

【問】

このたび日立製作所が中国から発注を受けた時速72kmの世界最速の乗り物は何ですか。

【答】

エレベーター

中国広州市に2016年に完成予定の超高層ビル「CTFファイナンシャルセンター」(高さ530m)に、日立製作所のエレベーターが取り付けられることが決まりました。
このエレベーターはそれまでの世界最速である時速60kmを大きく上回ることで話題になっています。

え、エレベーターぐらいで大げさな!と言わないでくださいね。
物体の速度を上げるには重さと空気抵抗との戦いです。
速くするには複雑な機械構造を必要とし重くなりますが、重くなれば遅くなるという矛盾が起こります。
そういった意味では新幹線・飛行機・自動車といった他の乗り物と同様に、エレベーターも技術のかたまりなんです。
しかも、速度を上げることができたとしても、乗客の耳を気圧変化から守る・安全に止めるという難題が次々とわいてきます。
ほら、当たり前のように乗っているエレベーターが実はとんでもなくエライやつだと思えてきませんか?

今、新幹線や発電システムなど「高い技術」に「安全管理」と「品質維持」をセットにして売る日本の工業製品が世界で見直されつつあります。
速い、それでいて安全かつ快適。
本来は矛盾するべきはずの要素が、高い次元でバランスがとられているのが日本の技術です。
そんな技術に囲まれながら特にありがたみを感じる必要のない生活をしているわたしたちって、とてもめぐまれているんだなあと思うばかりです。
がんばれ、日本のものづくり!

余談ですが、この世界最速エレベーターがガラス張りだと絶叫マシーンですよね、わたしには乗れない……。

(横川駅前教室う)