気になるニュース第199回 「ベルリンの壁」

【問】

25年前の1989年の11月9日、東西冷戦の象徴であったベルリンの壁が崩壊しました。
このベルリンとはどこの国の首都であるかを答えなさい。

【答】

ドイツ

1945年、ドイツは、第二次世界大戦中の降伏によって、アメリカ・イギリス・フランスの占領地にあたる西ドイツとソ連の占領地に当たる東ドイツに分断されてしまいました。
そのうちベルリンは東ドイツ領内にありましたが、その中の西ベルリンはアメリカ・イギリス・フランスの占領地でした。
はじめは壁もなく、東西ドイツ市民が行き来をしていたのですが、毎年、数万人から数十万人の東ドイツ国民が、ベルリンを経由して西ドイツへ大量に流出したため、東ドイツ政府は東西ベルリンの交通を遮断(しゃだん)して、西ベルリンを壁で囲むこととなりました。
この壁を「ベルリンの壁」とよびました。

「ベルリンの壁」は東西ドイツ国境上につくられたものと誤解される場合がありますが、実際には東ドイツ内にある西ベルリンを取り囲んだものだったのです。

壁ができて30年あまりたった1989年に、国の体制が維持できなくなりかけていた東ドイツが、国民に対して自由に出国することを認める発表をしたことから、壁の意味はなくなり、多くの市民によって壁そのものが壊されていきました。
それからおよそ1年後に東西ドイツは統一されました。
しかし、壁の崩壊から25年経ち、ドイツ統一から四半世紀近くたっても、東西ドイツの地域経済の格差は大きいそうです。

東アジアには半世紀以上分断されたままの地域がありますね。
もしここが平和的に統一できたとしても、その後の苦難の大きさはドイツ以上であることが想像できます。

(皆実教室T)