気になるニュース48回「原子力発電の今後」

090605.jpg【問】
わが国の原子力発電計画の一つで,原子力発電の使用済み燃料であるプルトニウムとウランを混ぜ合わせ,再び原子力発電の燃料として使うというものがあります。この計画を何計画といいますか。


【答】
プルサーマル計画

原子力発電の燃料として使われるプルトニウムの「プル」と、原子力発電の原子炉の一つである軽水炉「サーマルリアクター」の「サーマル」を合わせた和製英語です。
現在、私たちが生活していくうえで、電力は欠かせないものとなっています。
かつて、日本は水力発電にたよっていました。
その後、中東地域で石油が大量に見つかったことや、エネルギー革命を経て、日本は火力発電にシフトしていきました。
ところが、1973年におこったオイルショックによって、日本は石油以外の発電にも目を向ける必要性を実感したのです。
また、火力発電は二酸化炭素を大量に放出するため、地球温暖化の問題とも無関係ではいられません。
かといって、電気の使用量を大幅にへらすというのも現実的ではないでしょう。
資源に乏(とぼ)しい日本では、電力の安定供給のため、そして、火力発電による二酸化炭素排出量を減少させるため、原子力発電の必要性が訴えられています。
実際にわが国の総発電量に占める原子力発電の発電量は26.3%(2005年)もあります。
プルサーマル発電では、一度使用した核燃料を再度利用できることから、資源の有効活用だとする考え方もあります。
1997年につくられた計画では、2010年度までに16~18基の原子力発電所でプルサーマル発電を始める予定でした。
実際に、フランスでつくられたプルサーマル発電用の燃料(MOX燃料)を積んだ船が、先日、佐賀県の九州電力玄海原子力発電所など3つの原発に到着しています。
ところが、このプルサーマル発電は、2002年に発覚した東京電力のデータ改ざん問題や福井県敦賀市のある高速増殖炉「もんじゅ」の事故など、相次ぐ不祥事や事故のせいで、信頼性が揺らいだままになっているのです。
さらに、普通の原子炉の運転より制御が難しいという専門家の指摘もあります。
事実、6月2日に開かれた政府の原子力委員会で、近藤駿介委員長(東大名誉教授)から、計画が実態とかけ離れているとの指摘を受けたため、電力各社は、見直しを余儀なくされました。
確かに電力は必要です。
しかし、放射能の恐ろしさを、身をもって体験しているのはわが国のはずです。
安易に計画を実行するのではなく、十分に安全性を確認し、さらに現在および将来の環境にも配慮した上で、どうするのか決定しなくてはならないと思います。
(皆実教室M)