気になるニュース101回「極の穴」

【問】
今年の3~4月に北極上空に発生していたことがわかったものとは何ですか。
【答】
オゾンホール
【解説】
地球は大気圏という空気の層におおわれています。


およそ高度10~50㎞を成層圏といいますが、オゾンという物質のほとんどがここに存在するといわれています。
このオゾン層は太陽からの有害な紫外線を吸収することで、生態系を守っていること、そして南極上空にオゾンホールができていることはよく知られていました。
冷蔵庫やクーラーなどに使われていたフロンガスなど、塩素を含む化学物質がオゾン層を破壊することがわかって以来、排出規制が行われています。
日本でも1988年にオゾン層保護法という法律が作られています。
さまざまな研究から2050年ころに回復するのではないかという報告もあるそうですが、まだまだオゾン層に大きな穴が開いているわけです。
したがって紫外線量の多くなる高緯度地帯では皮膚がんや白内障などが増加すると考えられています。
そして今年10月、北極上空にも3~4月にかけてオゾンホールができていたことが報道されました。
規模も南極上空のものと同程度と観測され、今年の春、北極圏では気温が低い状態が続き、オゾン層が破壊されやすい条件だったことが挙げられています。
北半球の高緯度地帯、つまりロシアや北欧といった人口の多い地域への影響が懸念されます。
実際に南極のオゾンホールはオーストラリアやニュージーランドの南部にまで広がることもあり、紫外線が増大して帽子をかぶらないと肌が荒れてしまうほどだそうで、人体への影響は無視できないほど大きいようです。
放射能もそうですが、目に見えないものの恐怖というものを肌で感じたのは私だけではないと思います。
情報の開示、対策の徹底といったことがいかに大事かを再確認しました。
(五日市教室A)