気になるニュース107回「権力の継承」

【問】
北朝鮮の最高権力者であった金正日(キムジョンイル)総書記が死去し、その三男が地位を引き継いだようです。
この人物の名前を答えなさい。
【答】
金正恩(キムジョンウン)


北朝鮮国営放送である朝鮮中央通信は、金正日総書記が2011年12月17日、現地指導へ向かう途中、心筋梗塞(しんきんこうそく)によって死去したと報じました。
金正日総書記は69歳だったそうです。
金正日総書記は、北朝鮮の建国者である金日成(キムイルソン)主席の長男であり、1994年に死去した金日成主席の地位を継承し、以後17年間にわたって北朝鮮の最高責任者として、同国を統治してきました。
金日成主席から金正日総書記への地位の継承は綿密に行われました。
1974年、金正日総書記は次期主席としての地位が約束され、その後20年にわたって金日成主席と行動をともにし、権力の継承を行ってきたのです。
今回、後継者として三男の金正恩(キムジョンウン)氏が指名されていますが、年齢的にも28歳と若く、また後継者として指名されてからわずか1年余りで、父である金正日総書記が死去したため、はたして権力の継承がうまくできるのか、世界が固唾(かたず)を呑んで見守っています。
現在のところ、大きな混乱は無いようで、北朝鮮国内では金正恩氏の後継者としての「権威づけ」が始まっています。
朝鮮中央通信は、正恩氏を「不世出の先軍統帥者」と報道しています。
しかしながら、北朝鮮では国民が食糧難にあえいでいるという実態が伝えられているのも事実です。
にもかかわらず、核兵器や弾道ミサイルの開発を行い、軍備増強に力を注いでいるわけですから、今後、安定した体制を築けるのか、あるいは国家が崩壊していくのか予断を許さない状況に思えます。
昨年は「アラブの春」といわれたように、チュニジアやエジプト、リビアなどで独裁政権が倒され、民主化の動きが見られました。このような動きが起こらないとも限りません。
北朝鮮国内の動きから、目が離せないですね。
(五日市教室A)