気になるニュース713回「新たな指導者」

【問】

先日、カトリック教会の最高司教で、全世界のカトリック教徒の精神的な指導者が亡くなりました。バチカン市国の元首でもある、この役職を何といいますか。

【答】

ローマ教皇

キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁は4月21日、ローマ教皇フランシスコが88歳で亡くなったと発表しました。
フランシスコ教皇は在任中、世界的な貧富の格差の解消を訴え、貧しい人々の救済にあたったり、難民や移民の保護や気候変動への対応を呼びかけたりするなど、地球規模の課題の解決のために積極的に発言してきました。
また2019年、ローマ教皇としては38年ぶりに日本を訪れ、被爆地の広島や長崎でスピーチを行い、広島では「戦争のために原子力を使用することは、犯罪以外の何ものでもない。核兵器は使用することも、保有することも倫理に反する」と述べ、核兵器の廃絶を強く訴えました。

日本を最初に訪れたローマ教皇としては、1981年に来日した、ヨハネ・パウロ2世が知られています。東京、広島、長崎を訪問し、カトリック教会の信者だけでなく、多くの日本人から注目されました。
特に広島での「戦争は人間の仕業です。」と日本語で語り始めた平和メッセージは、平和な世の中を作らねばならないという意思が表れており、今も人々の記憶に残されていることでしょう。私自身、平和記念公園で直にそのメッセージを聞いて、衝撃を受けました。

ローマ教皇庁は5月8日、新教皇としてアメリカ出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が選出されたと発表しました。教皇名はレオ14世です。
現在、世界には紛争や難民、飢餓や気候変動など様々な課題があります。ローマ教皇には直接何かを決定する権力はありませんが、一つの宗教を導くリーダーとして、レオ14世がそれらの課題に対してどのような言葉を発し、働きかけていくのか注目したいと思います。

(己斐教室M)