【問】
広島県のある島が、戦争遺構や環境の保全に利用するため、新たに「訪問税」の導入を検討しています。
「ウサギ島」としても有名なこの島の名前は何ですか。
【答】
大久野島
広島県竹原市忠海町にある大久野島は、かつて帝国陸軍が毒ガスの研究と製造をしていたため、地図から消されていた歴史があります。
また、近年「ウサギ島」としても有名ですが、これは、1970年代に地元の小学校で飼っていたウサギを放して以降、天敵がいない島の環境のもと、野生のウサギがどんどんと増えたといわれています。
大久野島には休暇村があり、そのマスコット的存在としてウサギはかわいがられており、2014年には海外のニュースサイトがこの島を取り上げ、現在では外国人観光客も多数訪れています。
竹原市の発表によると、2024年の総観光客数は約19万5千人で増加傾向にあるそうです。竹原市は、戦争遺構や環境の保全のため、島を訪れる人に対して「訪問税」を導入し、税収を、重要な地域観光資源である毒ガスや風船爆弾を製造した遺構の補修、水道などのインフラ整備、ごみ処理対策の費用などにあてる予定です。
広島県廿日市市では、宮島を訪れる観光客から1人100円の「訪問税」を導入しています。これは全国で初めてのことでした。他にも沖縄県竹富町が西表島や竹富島などへの来島者に、2026年度から課税する予定です。
環境の保全やオーバーツーリズム対策にはお金がかかります。これからは、地元の自治体だけでなく、訪れる人も費用の一部を負担するといった形が広がっていくかもしれませんね。
(己斐教室M)