畑のありんこ(534)

ソラマメソラマメが少しずつ大きくなってきました。
他の豆と違って、空を向いてなるために「空豆」と名付けられたといいます。
古代エジプトでも育てられていたといいますから、数千年前の人と同じものを栽培して食べていることになるわけですねえ。ずいぶん見た目や性質は変わっているでしょうけれど。

栽培種は野生種とずいぶん変わっています。
人間がに都合がよいものを意図的に残してきたからでもあります。
たとえばイネやムギの仲間は、通常であれば粒(種)が自然に落下します(脱粒性といいます)。
しかし人間にとっては粒が地上に落ちては拾い集めるのが大変です。
たまたま非脱粒性の株を見つけて、それを残していったために、今のものは粒が自然落下しないのです。
また、ブドウはもともと野生では雄雌が別の株だったらしいのですが、今では雄雌同株となっています。

私たちは意識せず、昔の人が何千年と時間をかけてつくってきたものの恩恵を受けているわけです。
今も品種改良は続けられていますが、膨大な作業と努力と根気に頭が下がりますね。

(五日市教室A)