気になるニュース281回「意外な絶滅危惧種」

【問】

日本や中国などの淡水に生息する爬虫類(はちゅうるい)で,先日絶滅危惧種をまとめたレッドリストに記載された動物は何でしょう?

【答】

スッポン

スッポンというとカメの仲間で、日本や中国では昔から栄養のある動物として食べられてきました。
現在も一般的に売られているので、絶滅危惧種というと大げさに聞こえるかもしれませんが、実は天然のスッポンは開発などによって生息地が失われつつあります。
日本で食べられているものは養殖されたものがほとんどで、自然の中でありのままに生活しているスッポンはいつの間にか数を大きく減らしていたのです。

6年生の国語の授業では、「自然の保全」というキーワードを学習しましたが、いかに人間が手を加えないままの自然が減っているのかがわかる一つの事例と言えるでしょう。
外来種の魚が野生の魚を追い出してしまう状態よりは幾分マシですが、人間が自然のままだと思っている動物や植物には、意外と人の手が入っているものなのですね。

ところで養殖といえば、スッポンは産卵から大きく育てるまで、完全養殖に成功していますが、ニホンウナギは稚魚を捕獲してそれを育てることしかできていません。
そのため、絶滅危惧種への登録のみならず、価格の上昇という問題も起こっています。
この度、東京大学などが、ウナギの産卵場所があるとされる南太平洋へ調査団を派遣するそうです。
ぜひ完全養殖に成功して、気軽にウナギが食べられるようになってほしいものです。

(五日市教室T)