気になるニュース61回「願われる再生」

01-1.gif【問】
年金問題などを扱っていた社会保険庁が新しい組織となってこの1月1日から発足しました。新しい名称は何ですか。


【答】
日本年金機構
「消えた年金」などの年金記録問題が社会保険庁時代にあったことを覚えていますか。
社会保険庁がコンピューターに入力した年金の記録にミスや不備が多くあり、年金記録のずさんさが国会やマスコミ、そして国民からも指摘されました。
整理されていない記録が約5000万件あるといわれ、さらに納めた年金保険料のデータが残っていなかったり、コンピューターへの入力ミスがあったりとさんざんな状態でした。
本来もらえるはずの年金額より少なくなっている人や、もらえなくなってしまっている人も存在するようです。さらには記録をさかのぼって不適切な訂正をした件も判明しました。
組織として、国民の情報を正確に記録すること、自らのミスが国民にどれだけ大きな迷惑をかけるのかということに鈍感であったといわざるを得ません。
こういった一連の不祥事を受け、年金記録を国民自身に確認する「ねんきん特別便」の発送・回収や、データの統合・整理、詳細な年金記録を毎年1回加入者に送る「ねんきん定期便」の設立など、政府は対応策を講じてきています。
ずさんな管理の一因として、社会保険庁が利益を追求する民間企業とは異なる、いわゆる「お役所意識」というものがあったからだという指摘もありました。
そこで改革の一環として、社会保険庁を廃止し、日本年金機構として新たに発足させたわけです。
今度の組織は、公法人ですが、職員は非公務員となります。
しかし、職員の多くは社会保険庁からの再雇用(こよう)であるため、果たして職員自身の精神的な改革が行われているのかと疑問視する声もあります。
ただ、人数も社会保険庁時代より約2割減らし、うまく他の会社にも仕事の一部を依頼するなどして効率化していこうとしています。
よい組織に生まれ変わってほしいと願わずにはいられません。
わたしたちが働いて得た給料の一部を、将来の生活のために保険料としてはらっているわけですから、今度こそはきちんと管理・運営してほしいですね。
将来においても、私たちが安心して暮らせる国でないと、困りますから。
(五日市教室A)