気になるニュース62回「復興への険しい道」

15未来.jpg【問】
カリブ海にある島国をマグニチュード7.0の大地震が襲い、甚大(じんだい)な被害が出ています。この国の名前を答えなさい。


【答】
ハイチ共和国

2010年1月12日の16時53分、カリブ海の西インド諸島にある島国『ハイチ共和国』をマグニチュード(M)7.0の大地震が襲いました。
震源は首都ポルトープランスの西南西約15km、深さは10kmと推定されており、震源の浅い典型的な直下型地震です。
首都では、大統領府や国会議事堂を始めとする多くの建物が倒壊し、15日時点では死者は最大20万人と予測されています。
さらに、被害を受けた人は総人口の3分の1に当たる300万人とも。
水道、電力などのライフラインも壊滅的で、現地では被災者に救援物資も届かず、衛生状態もきわめて悪化している模様です。
また、食料などの略奪(りゃくだつ)行為も発生しており、ハイチ政府は1月末までの非常事態宣言を発し、午後6時以降の夜間外出禁止令を出しています。
ハイチは独裁政権と軍事クーデターが繰り返されてきた歴史を持っており、2004年に反政府勢力の武力蜂起(ほうき)で大統領が辞任したことをきっかけに、国連のPKO(国連平和維持活動)が始まっていました。政情不安で国土は荒廃し、「西半球の最貧国」と呼ばれていました。
そのため、安全に対する備えにまで手が回っていない状況でした。
ハイチの建物は、鉄筋コンクリートのフレームに素焼きのレンガを積み上げて壁をつくるらしいのですが、建物の補強がおざなりだったものも多く、これが被害の甚大化に拍車(はくしゃ)をかけたとも言えます。
日本政府は、ハイチに対して500万ドルを上限とする無償援助や3000万円分のテントなど援助物資の供与を発表しました。
また防衛省は、米国アリゾナ州で共同演習を行っていた自衛隊のC-130輸送機や、フロリダ州に確保してある救援物資の活用を検討し、支援の不足分を補う計画を発表しました。
18日には、日本の医師団がやっと現地入りしています。
しかし、若干の動きの遅さを感じます。数多くの地震によって被害を受けている日本だからこそ、災害先進国としてもう少し早く動けたのではないでしょうか。
ハイチの位置を確かめてみてください。
私たちと同じ島国です。
陸続きの国とは支援方法が異なります。
実際、支援の飛行機が飛んできても、なかなか着陸できないようです。
滑走路も1本しかなく、補給燃料もありません。
国外への脱出をしようとする人々で混乱しているようです。
1月17日には阪神・淡路大震災から15年目を迎えました。
私たちが災害から受けた教訓や復興の際の経験を、今こそハイチの人々のために生かしていく必要があるのではないでしょうか。
(皆実教室M)
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