気になるニュース80回「貴重な土」

090616.jpg【問】
中国が世界の産出量の90%以上を占めるといわれる、ハイテク製品や省エネ家電製品などの製造に欠かせない物質を何といいますか。


【答】
レア・アース(希土類元素)

レア・アースはrare(まれな)な土、といった意味です。
イットリウムやネオジウムなどといった耳慣れない17の元素のグループをこう呼びます。
これらが携帯電話のモーターや光磁気ディスク、太陽光発電のパネルなどの製造に欠かせない物質なのだそうです。
ハイブリッドカーの「プリウス」にも1台約400g程度使ってあるのだそうです。
なんだかハイテク産業の米のようですね。
日本は世界の需要の約半分を占めているのですが、これらの物質の輸入を中国に依存しています。
昨今の中国の発展で、中国国内での使用量が増えたこともあり、今年の4月には日本への出荷を4割削減するとの通告もありました。また、尖閣諸島の事件の際にも、日本へのレア・アースの通関(税関を通過すること)が全面的に止まるなどしました。
さらに10月18日には欧米向けの輸出もストップしていましたが、10月末、突然再開されました。
輸出停止措置に対して世界の批判が集まったため、中国も態度を変えざるを得なかったのではないか、と考えられます。
中国としてはレア・アース輸出を規制し、国内にレア・アースを使用する製品の工場を誘致したいと考えているようです。
が、先進国は技術が中国に流出することを懸念しており、双方の思惑が対立している感もあります。
実際に中国では、さまざまな著作権や知的財産権などが守られていないといった問題が表面化しています。
いずれにせよ、資源を一国(一地域)に依存するのは危険です。
日本は、オイルショックの経験を生かさねばなりません。
一国依存からぬけ出すために、日本はベトナムやモンゴルなどとも合同で探査・開発を行う方向へ進んでいます。
もちろん、レア・アースに限らず、野菜や衣類などを輸入している中国との関係は穏やかなものであってほしいと思います。
中国は、日本の貿易相手国の第1位ですから。
温暖化などの地球規模の問題が浮き彫りになっている中、国どうしで反目しあうばかりではいけないと思いますが、民族や思想の違い、これまでの歴史もあり、なかなか難しい問題です。
われわれひとりひとりが、人間としてお互い理解しあえるよう、自文化のみならず、異文化の理解を深め、真の国際人になっていくしかないのでしょうか。
最近、胸の痛いニュースが多いですね。
(五日市教室A)
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