気になるニュース585回「参議院選挙その後」

【問】

先日、大阪高等裁判所、東京高等裁判所で、今年の参議院議員選挙について、ある判断が下されました。
一票の価値が3.03倍であったため、〇〇状態と判断したものです。
○〇に当てはまる漢字2字の言葉は何ですか。

【答】

違憲(状態)

今年7月に参議院議員選挙があり、定数248名に変更されました。この定数の変更は、一票の格差をできるだけ小さくするために行われたことでした。
これについては、571回の気になるニュースでもふれています。
ところが、この定数の変更の効果がうすかったのか、前回2019年のときの最大で3倍の格差が3.03倍に拡大してしまいました。

そのため、前回では合憲と判断されたものが、現状では(最高裁判所の判断が最終になりますが)違憲状態つまり憲法に違反している状態だが選挙は有効という判決が出ています。
一票の格差問題は、地方の人口減と都市部での人口集中ということも大きく関係します。
格差を小さくするためには、地方の選挙区を合わせて定数を減らすか、都市部の選挙区を細かくして定数を増やす方法があります。

しかし、地方の選挙区を合わせると地方の声が届きにくくなるし、定数を増やすと歳費がかかってしまう、というどちらにも問題があるのが現実です。
簡単に解決できないものではありますが、できるだけ公平な選挙が行えるようにしていきたいものです。

(西条教室N)