気になるニュース365回「偉大な科学者の死」

【問】

先日亡くなった、ブラックホール研究などで有名な科学者はだれでしょうか?

【答】

スティーブン・ホーキング

宇宙や星のことに興味がある人は知っている名前かもしれませんね。この数週間のニュースで見て知った人もいるのではないでしょうか。彼はブラックホールの蒸発をはじめとする、これまでの常識を覆すような宇宙の研究で知られ、書かれた本は全世界で1000万部の大ベストセラーとなりました。それだけでも歴史に名を残すに十分なことですが、加えて彼は重い病を患っていました。

若くして筋萎縮性側索硬化症(ALS)という病気にかかり、全身が少しずつ麻痺していきました。普通なら、その恐怖に耐えるだけでも大変なことだと思います。もし自分の体が少しずつ動かなくなっていったらと思うと、恐ろしいですよね。車いすに頼ることはもちろん、40代には気管を手術し、声も出せなくなりました。それでも彼はポジティブに、「私は幸運だ。なぜなら脳は筋肉でできていないからだ」との名言も残しています。

晩年になっても宇宙と科学への興味は尽きませんでした。タイムマシーンで過去へ行くことが不可能な理論の構築や、宇宙人の存在についての研究。人工知能による兵器の禁止など、その活動は創造的なものばかりでした。しかも、それでいて彼の研究は決して荒唐無稽ではなくきちんとした論理が伴ったものでした。受験に向けての勉強も大切ですが、時にはそれを超えて広い視野で物事を考えてみることも大切な学習ではないでしょうか。

(五日市教室T)