気になるニュース269回「桜前線迷走中?」

【問】

日本各地の桜の開花予想日を結んだ線を桜前線と呼びますが、一般的に桜前線は、方位で言うと、どの方向からどの方向へ移動するでしょうか?

【答】

南から北

一般的に暖かい南の地方から開花して、桜前線が北上していくというのが自然な流れです。
ただ、ここ20年ほど、主に九州で桜前線の南下が起こっています。
その原因の1つと言われているのが、地球温暖化です。
植物には花芽が低音で目覚める「休眠打破」と呼ばれる働きがあるのですが、このシステムが暖冬の影響で一部機能不全に陥っているようです。

具体的な数値としては、以前は鹿児島県で満開になってから1週間ほど後、福岡県が満開になる年もあったのですが、近年ではその逆で、福岡県で満開になってから1週間後に鹿児島県で満開になるケースもあったそうです。
もし、このまま温暖化が進むと、北九州から関東地方辺りの地域が一斉に開花を迎え、桜前線の北上現象が見られるのは東北地方のみになりそうです。

時期がずれるだけなら、まだ良いのですが、休眠打破のシステムが全く機能しないほどに温暖化が進んでしまった場合、最悪桜が咲かない可能性もあるそうです。
すでに、近年では鹿児島県の種子島など、開花しても満開にならない桜の木も出てきています。
温暖化は地球規模で考えるべき環境問題ですが、どうやら日本人にとっては、桜の花見という文化を守るための問題でもあるようです。

(五日市教室T)