気になるニュース425回「豊かな資源はあっても…」

【問】

世界で最も多くの原油埋蔵量をほこる南米のある国が、経済危機におちいり、国民生活に大きな影響が出ています。
この国はどこですか。

【答】

ベネズエラ

地下にある石油の量はサウジアラビアをもしのぐといわれています。
石油産業のおかげで南米で最も豊かだといわれていましたが、1980年代から貧富の差が広がりました。
大統領は国の富を貧しい人々に分配する政策をとりましたが、優秀な技術者たちがいなくなり、したがって設備の補修もなされず、産油量も減ってしまいました。
石油の質もとてもいいわけではないので、いったん外国に売れなくなると経済的においつめられた状態になってしまいます。

現在、国民は食料や薬、日用品が手に入らなくなっています。
必要な品物が少ないため、ハイパーインフレといわれる状態になっており、1年前の値段の100倍になっています。
病気も広がり、国全体が慢性的な停電、水不足の地域もあります。
2014年からここまでに国民の1割にあたる390万人が国外に脱出しています。

電気や水がない状態になったとしたら、これまでのような生活は営めないでしょう。
治安も悪化するでしょうし、家にこもって身を守るといっても食べ物がなければどうしようもありません。
自然災害でなくとも、このような事態が起きうるという現代の社会のあり方について考えさせられます。

(五日市教室A)